新しいゲームのはじまり
こんにちは。ずっとしまっておいた話を、すこしだけさせてください。
ここ数か月、小さなチームと一緒に、猫カフェのゲームを静かにつくっていました。誰にも言わず、 何も発表せずに。というのも、そのときつくっていたものは、まだ「ゲーム」と呼べるものではなくて、 実験だったからです。たったひとつの問いに答えるためだけのもの—— 頭の中にある夢は、本当に形にできるのか。
もう確かめられたこと
答えは「できます」でした。しかも、ひとつずつ、最後まで確かめきることができました。
- 猫が本当にお店の中を歩きまわります。あたたかい場所で眠って、そばを通ると足にすり寄ってきます。
- インターネット越しに友達を同じお店に呼べて、ふたりでそれぞれの持ち場を走りまわれます。
- ちゃんと動くキッチン。材料があって、手順があって、売れる完成品ができます。
- 自由な内装。テーブルを動かして、床を張り替えて、自分の好きな一角をつくれます。
ぜんぶが同時に動いた最初の瞬間——お客さんが入ってきて、注文して、さっき自分で並べたばかりの テーブルに座って、その前を猫が横切って椅子の下で眠りにいって、カウンターの奥には友達が立っている。 わたしはずいぶん長いこと、ただそれを眺めていました。ずっと自分が遊びたかった景色でした。
それなのに、なぜ最初からやり直すのか
つくったものはすべて、問いに答えるためのもので、長く遊んでもらうためのものではなかったからです。
間取りを確かめるために急いで建てたモデルハウスに似ています。ひと通り歩いて満足したころには、 どの部屋をもっと広くすべきか、どこに窓がいるか、扉はどちら側かが分かっています。 そこで次にやるべきなのは、モデルハウスを塗り直すことではありません。 いま学んだことを初日から全部入れて、本物の家を建てはじめることです。
古いものを捨てるのは惜しくないかと聞かれました。正直、まったく惜しくないです。 いちばん価値があったのは、書いたプログラムではなくて、こういうゲームが遊んでいて どう感じるべきかを知れたことでした。どこで人が笑って、どこで飽きて閉じたくなるのか。 これは買えません。自分でつくって、自分で座って遊んでみないと分からない。そして、いまはもう分かっています。
だからいま、まさにそれをやっています。土台からやり直し、でもゼロからではありません。 実験で得た学びはぜんぶ手元に残っているからです。何が楽しくて何が退屈か、 よさそうに思えたのに遊んでみたら違ったのはどれか。今回はもう、当てずっぽうではありません。
ここは何をする場所か
このサイトは、とちゅうの話をそのままお伝えする場所です。立派に見せたり、 かしこまった感じにしたりしたくはありませんでした。それよりも、お店のテーブルのひとつ、 みんなで座って話しているあの席のようであってほしいと思っています。大きく三つの場所があります。
- ロードマップ — いま何をしていて、何が終わっていて、次に何を考えているかの生きたリストです。 ゲームは自分のペースで育つので、これはしょっちゅう変わります。
- 開発日記 — こういう話を、お見せできる写真や動画といっしょに。
- 音楽 — このゲームのためだけに書いたカフェの音楽です。無料で、ゲームの完成を待たずに聴けます。
いま約束できるのは、うまくいった日も、一週間ぶんの作業をまるごと捨てた日も、 起きたことをそのままお話しし続けます、ということだけです。 いつ完成するのかについては、言わないでおきます。言っても本当にならないので。
そのあいだ、お店の空気をすこし味わいたくなったら、書いた音楽を流してみてください。 また次の日記でお会いしましょう。🐈☕